小田原城の支城として小田原の防衛を担っていた。現在でも東海道(国道1号線)が城内を通過していて、街道の防御地点であったことが伺える。北条氏の独特な城郭構造である障子堀は盛土や芝を張る等で風化を抑える工夫がなされている。
2014年9月10日
西櫓堀と石碑
山中城は文献によると小田原に本城のあった北条氏が永禄年間に築城したと伝えられる中世最末期の山城である。
箱根山西麓の標高580mに位置する自然の要害に囲まれた山城で、北条氏にとって西方防衛の拠点として極めて重要視されていたが、戦国時代末期の天正18年3月、全国統一を目指す豊臣秀吉の圧倒的大群の前に一日で落城したと伝えられている。
北条流堀障子
岱崎出丸
天正17年(1589)秀吉の小田原征伐に備えて各曲輪の修築とともにこの岱先出丸の増築を始めたが、短期間の為完成できず中途で放棄した様子が発掘の結果わかった。
この出丸を守ったのは間宮康俊といわれ、壮絶な戦闘を繰り広げ全員が討死したと伝えられている。
すりばち曲輪
山中城出丸の最先端を防御する重要な位置にある曲輪である。そのためか曲輪の構築方法も本丸側の曲輪とは全く異なり、中央部を凹ませて低くし、中心から緩やかな傾斜で土塁まで立ち上がり、中途から傾斜を強め土塁の上部に達している。上方から見た様子がすり鉢によく似ているところから通称『すり鉢ぐるわ』と呼んでいる。
一ノ堀
昭和56年の第九次発掘調査により検出された一の堀は、出丸全域を鉢巻のように巡るのではなく、先端のすり鉢曲輪から西側の中腹を箱根旧街道の空堀まで続くものである。
三の丸堀
三の丸の曲輪の西側を出丸まで南北に走るこの堀は、大切な防衛の為の堀である。
城内の各曲輪を囲む堀は城の縄張りに従って堀割ったり、畝を堀残りたりして自然地形を加工していたのに対し、三の丸堀は自然の谷を利用して中央に縦の畝を設けて二重の堀としている。
二の丸畝堀
西の丸に敵が侵入することを防ぐため完全に曲輪の周囲を堀によって取り巻いている。山中城では場所によって水の無い堀と水のある堀、やわらかい泥土のある堀とに分けられる。
この堀の中は5本の畝によって区画されている。
遺構を保護する為、現在は芝生や樹木を植栽してあるが、当時は滑りやすい関東ローム層が露出しているものである。
西櫓堀
眺望
西の丸物見台から
北の丸
天守櫓に次ぐ本城第二の高地に位置し、面積もある曲輪である。一般に曲輪の重要度は他の曲輪よりも天守櫓により近く、より高い位置、つまり天守櫓との距離と高さに比例するといわれている。この点からも北の丸の重要さがしのばれる。
架橋
発掘調査の結果、本丸と北の丸を結ぶ架け橋の存在が明らかになり、その成果を元に日本大学の宮脇泰一教授が復元したのがこの木製の橋である。
山中城の堀には土橋が多く構築され現在も残っているが、重要な曲輪には木製の橋もかけられていた。
木製の橋は土橋と比べて簡単に破壊できるので、戦いの状況によって破壊して、敵兵が堀を渡れなくすることも可能であり、曲輪の防御には有利である。
弾薬庫、兵糧庫
中央を走る溝は排水溝のような施設であったと考えられ、この溝が兵糧庫を東西二つの区画にわけていた。西側の区画からは建物の柱穴も確認された。このことから周辺より出土している平たい石を礎石として用い、その上に建物があったものと考えられる。
東側の区画からは不整形な穴が数穴検出され、本丸よりの穴からは硯、坏、甲冑片、土器などが出土している。
本丸櫓台
標高586m、天守櫓の名にふさわしく、山中城第一の高地に位置している。
天守は独自の基壇の上に建てられており、この基壇を天守台という。
天守台には井楼、高櫓が建てられていたと推定されるが、櫓の柱穴は植樹により撹乱されていたため、発掘調査では確認出来なかった。
本丸から櫓台への昇降路は、基壇への南へのびる土塁上に1mの幅で作られていたと推定される。
本丸跡
天守櫓と共に山中城の中心となる曲輪である。
周囲は本丸にふさわしい堅固な土塁と深い堀に囲まれ、曲輪は兵糧庫と接している。この曲輪は盛土によって兵糧庫側から2m前後の段を作り、二段の平坦面で築かれている。
虎口は南側にあり、北は天守閣と北の丸へ、西は北条丸に続く。
江戸時代の絵図に書かれた本丸広間は上段の平坦面、北条丸よりに建てられており、現在の藤棚の位置である。
西堀櫓
矢立の杉
山中城本丸の天守櫓に接して植生しており、周囲の樹木より一段と高く山中城のシンボル的存在である。 
『矢立の杉』の呼称の由来については、出陣の際に杉に矢を射て勝敗を占ったためと『豆州志稿』の中の記述にある。
基本情報
城郭構造 山城
築城主 北条氏康
遺構 曲輪、土塁、堀
指定文化財 国の史跡
廃城年 1590年
地図
パンフレット
100名城スタンプ
スタンプ設置場所
山中城跡売店内 三島市山中新田
定休日 月曜日、年末年始